
愛する妻を助けたいという想いが、絆創膏という世紀の大発明を生んだ。

・「必要は発明の母」の意味がかみしめられる
・1つの愛が世界に波及する様を体感できる

やや多い

11分

ようし ぼくが なんとか してあげよう

マーケティングの教科書のような絵本ですね。
とはいえ小難しい話ではなく、小学生でもすぐに理解できる平易でフレンドリーな文章に、アニメのような親しみやすいイラスト。
いきなり「世界の人を救う何かを発明したい」だと、抽象的すぎるし、大きすぎるし、目的もブレそうです。しかしながら、本作の主人公アールさんは、単純に、身近な存在である妻ジョゼフィーンさんを助けたいというところからスタートしています。
ぶきっちょな妻が家事でよく手を切ってしまう、なんとか彼女の手の痛みをやわらげてあげたいと。
目標達成は、まずは小さな目標達成から。
そしてそれをいくつもこなしていくと、やがて自然と大きなことが達成できている。
どんな社会人も胸に刻みたい考え方のヒントが本作にはいっぱいですよ。
特にアール氏が絆創膏がなかなか皆に広まらず売れない時にこう考えるシーン。
バンドエイドを いちばん つかってくれるのは だれだろう?
あたりまえの思考、あたりまえでシンプルなんだけどこの利用者目線の想像の繰り返しこそ、マーケティングの真骨頂ですよね。
お子様には、身の回りにある便利なものが「なぜ」生まれたのかを知ることは、とても有意義なこと。
そして、会社で働くお父さんお母さんのビジネス初心を思い出させる絵本としても、すこぶる優秀だと思います。


ちなみに本作に登場する発明者アール氏は、後にジョンソン・エンド・ジョンソン社の副社長にまでなった方です。
コメント